「アラカン!」な日々
「アラカン!」公演情報を随時アップ(管理人・唐沢@作者)
進化なう
- 2011/10/04 (Tue)
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ずっと更新しそこねていました。
第二稿の〆切が2週間後…というところで終わってました。
えー、予定通り2週間後に第二稿をアップしました。
アップしてすぐに1泊旅行に行ってきたのですが、この予定はずっと前から決まっていたので、第二稿が終わらないまま旅行に行くのだけは…それだけは避けたい〜!!
との思いで、なんとか前日までに終わらせました。
直しというのは、多分一般に思われている以上にエネルギーのいる作業です。
まず、ダメ出ししてるほうは、ダメを出しながらも具体的にどうすればいいかまでは提示してくれません。
「ここはこんな感じで」とイメージを出してくれるならまだ良いほうで、たいていは「もっとこうして」という漠然とした希望だったり、「これはありえない」という感覚的な否定だったりします。
で、その希望は書き込めば書き込むほどたくさん出てきますが(希望が出ない=良い作品とは限りません)、時間的にも空間的にも制約がある「舞台」では、「どこを切り取るか」が重要なテクニックであり、無制限にあっちもこっちも書き込んでいたら際限なく長くなってしまいます。
ということは、新しい情報なりネタなりを盛り込むためには、それと同量かそれ以上の「刈り込み」をしなければならないということです。
よく皆さんから「書くのにどれくらいかかるの?」とか「何ページくらい書くの?」とか聞かれるんですが、本当に大変なのは「長く書くこと」ではなく「短く刈り込むこと」です。
最初から短ければいいというわけではなく、まずは自分の中で納得できるように書き上げてみて、それから「これはいらない情報」とか「これは説明的」とかいう冷徹な判断をくだしながらギシギシと刈り込んでいく必要があるのです。
なぜなら、どんなに説明的にならないように気をつけながら書いていても、第一稿は「わかってもらおう」という思いが前面に出るため、どうしても説明が多くなってしまうからです。
第ニ稿では、軸がぶれている部分を矯正したり、「人物の行動」に説得力が欠けている部分を補強したりといった作業と同時に、そういう「省ける部分」を削ぎ落としていくのですが、自分で「あ、これ説明だ」と気がつくのはけっこう難しい。
読んでいるとそれほど説明っぽいと思えないのに、声に出して読まれて初めて「説明じゃん」と気がつくこともしばしば。
というか、何回か上演されてようやくわかってあとからカットしたりすることもあり、「説明ゼリフ」というのは本当に奥が深いです。
一度文字にしてしまったセリフを変えるというのは予想以上にストレスフルな作業で、作家なら誰でも「どれも削りたくない!」というのが本音でしょう。
そこを「これでもか」「これでもか」とストイックに削っていくのは究極のサディズム&マゾヒズムって感じです。
と、説明が多くなりましたが(笑)、とにかく加えて削って加えて削ってをはてしなく繰り返し、伏線をまるでバレー選手のリベロのように拾いまくり、枚数の増減を常にチェックし、結果的には第一稿よりも2ページ増で収めました。
旅行から戻ったらさすがに今までの蓄積された疲れがじわじわとにじみ出てきて、翌日は昼も夜も寝続けてしまいましたが、そんな中、演出の永井さんからメールが…。
その内容は、
「お疲れさま〜!オッケーでーす。問題ないです。これでいきましょう」
てなものではやっぱりなくて、まだ注文が…_| ̄|○
しかも、いきなり注文から始まるので「えーーー、『前よりよくなりました』とか『方向性はこれでいいと思います』とかそういうフォローいっさいなしっスか?!」と思わずヨロヨロしてしまいました。
後日、打ち合わせでお会いしたときにそう言ったら「いや、前置きなしってのはOKってことです」と言われ、「だったらそう言ってくれよ〜。一言くらい!!!」と涙目で訴えちゃいましたよ。
が、よくよく聞くと「正直、ここまで変えてくるとは思わなかった」とのこと。
「直しが難しいのは重々承知しているので、言ってはみたものの『あそこまで書き上げちゃったらもうできないだろうな』と内心思ってたんです」という永井さん。
おお。なんと嬉しいお言葉!
と感動しかけたら「でも、できてたんで。じゃあもっと…とさらに注文したくなった」と言われて涙がひっこみました。
そう。そうなんです。
直しに終わりなし。
「これでいい」と思ったらそこまでだし、最後の最後まで「もっともっと」「もっとよくならないか」「もっとおもしろくならないか」と大のオトナたちが往生際悪く粘りに粘って、もはやなんのためにこんなに頑張ってるのか自分でもわからなくなるほどエネルギーを注いで、それでようやく「次の課題がみつかったね」というところにかろうじて到達する。
その繰り返しなんですよねー。
というわけで、現在、第三稿にチャレンジ中です。
稽古は来週スタートしますが、それには間に合わないので稽古初日は第二稿を使う予定。
稽古が始まれば、またいろいろな「予想外」「想定外」が起こるはずなので、それに合わせての直しも必要になるでしょう。
「直し」というと、前が間違ってるみたいですけど、これは「進化」だと思えば楽しい作業になるはず。
と、早くもマゾヒズム全開の私です(^_^;)
第二稿の〆切が2週間後…というところで終わってました。
えー、予定通り2週間後に第二稿をアップしました。
アップしてすぐに1泊旅行に行ってきたのですが、この予定はずっと前から決まっていたので、第二稿が終わらないまま旅行に行くのだけは…それだけは避けたい〜!!
との思いで、なんとか前日までに終わらせました。
直しというのは、多分一般に思われている以上にエネルギーのいる作業です。
まず、ダメ出ししてるほうは、ダメを出しながらも具体的にどうすればいいかまでは提示してくれません。
「ここはこんな感じで」とイメージを出してくれるならまだ良いほうで、たいていは「もっとこうして」という漠然とした希望だったり、「これはありえない」という感覚的な否定だったりします。
で、その希望は書き込めば書き込むほどたくさん出てきますが(希望が出ない=良い作品とは限りません)、時間的にも空間的にも制約がある「舞台」では、「どこを切り取るか」が重要なテクニックであり、無制限にあっちもこっちも書き込んでいたら際限なく長くなってしまいます。
ということは、新しい情報なりネタなりを盛り込むためには、それと同量かそれ以上の「刈り込み」をしなければならないということです。
よく皆さんから「書くのにどれくらいかかるの?」とか「何ページくらい書くの?」とか聞かれるんですが、本当に大変なのは「長く書くこと」ではなく「短く刈り込むこと」です。
最初から短ければいいというわけではなく、まずは自分の中で納得できるように書き上げてみて、それから「これはいらない情報」とか「これは説明的」とかいう冷徹な判断をくだしながらギシギシと刈り込んでいく必要があるのです。
なぜなら、どんなに説明的にならないように気をつけながら書いていても、第一稿は「わかってもらおう」という思いが前面に出るため、どうしても説明が多くなってしまうからです。
第ニ稿では、軸がぶれている部分を矯正したり、「人物の行動」に説得力が欠けている部分を補強したりといった作業と同時に、そういう「省ける部分」を削ぎ落としていくのですが、自分で「あ、これ説明だ」と気がつくのはけっこう難しい。
読んでいるとそれほど説明っぽいと思えないのに、声に出して読まれて初めて「説明じゃん」と気がつくこともしばしば。
というか、何回か上演されてようやくわかってあとからカットしたりすることもあり、「説明ゼリフ」というのは本当に奥が深いです。
一度文字にしてしまったセリフを変えるというのは予想以上にストレスフルな作業で、作家なら誰でも「どれも削りたくない!」というのが本音でしょう。
そこを「これでもか」「これでもか」とストイックに削っていくのは究極のサディズム&マゾヒズムって感じです。
と、説明が多くなりましたが(笑)、とにかく加えて削って加えて削ってをはてしなく繰り返し、伏線をまるでバレー選手のリベロのように拾いまくり、枚数の増減を常にチェックし、結果的には第一稿よりも2ページ増で収めました。
旅行から戻ったらさすがに今までの蓄積された疲れがじわじわとにじみ出てきて、翌日は昼も夜も寝続けてしまいましたが、そんな中、演出の永井さんからメールが…。
その内容は、
「お疲れさま〜!オッケーでーす。問題ないです。これでいきましょう」
てなものではやっぱりなくて、まだ注文が…_| ̄|○
しかも、いきなり注文から始まるので「えーーー、『前よりよくなりました』とか『方向性はこれでいいと思います』とかそういうフォローいっさいなしっスか?!」と思わずヨロヨロしてしまいました。
後日、打ち合わせでお会いしたときにそう言ったら「いや、前置きなしってのはOKってことです」と言われ、「だったらそう言ってくれよ〜。一言くらい!!!」と涙目で訴えちゃいましたよ。
が、よくよく聞くと「正直、ここまで変えてくるとは思わなかった」とのこと。
「直しが難しいのは重々承知しているので、言ってはみたものの『あそこまで書き上げちゃったらもうできないだろうな』と内心思ってたんです」という永井さん。
おお。なんと嬉しいお言葉!
と感動しかけたら「でも、できてたんで。じゃあもっと…とさらに注文したくなった」と言われて涙がひっこみました。
そう。そうなんです。
直しに終わりなし。
「これでいい」と思ったらそこまでだし、最後の最後まで「もっともっと」「もっとよくならないか」「もっとおもしろくならないか」と大のオトナたちが往生際悪く粘りに粘って、もはやなんのためにこんなに頑張ってるのか自分でもわからなくなるほどエネルギーを注いで、それでようやく「次の課題がみつかったね」というところにかろうじて到達する。
その繰り返しなんですよねー。
というわけで、現在、第三稿にチャレンジ中です。
稽古は来週スタートしますが、それには間に合わないので稽古初日は第二稿を使う予定。
稽古が始まれば、またいろいろな「予想外」「想定外」が起こるはずなので、それに合わせての直しも必要になるでしょう。
「直し」というと、前が間違ってるみたいですけど、これは「進化」だと思えば楽しい作業になるはず。
と、早くもマゾヒズム全開の私です(^_^;)
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公演概要
テアトル・エコー公演vol.142「アラカン!」
作 ●唐沢伊万里
演 出●永井 寛孝
公演日●2011年11月
11日(金)19;00
12日(土)14;00
13日(日)14;00
14日(月)19;00
15日(火)19;00
16日(水)14;00
17日(木)14;00
18日(金)14;00
19日(土)14;00
20日(日)14;00
21日(月)19;00
22日(火)19;00
23日(水)14;00
計13回公演
料 金●一般5,000円(全席指定)
会 場●エコー劇場(恵比寿)
前 売●10月8日開始
問合せ●テアトル・エコー
作 ●唐沢伊万里
演 出●永井 寛孝
公演日●2011年11月
11日(金)19;00
12日(土)14;00
13日(日)14;00
14日(月)19;00
15日(火)19;00
16日(水)14;00
17日(木)14;00
18日(金)14;00
19日(土)14;00
20日(日)14;00
21日(月)19;00
22日(火)19;00
23日(水)14;00
計13回公演
料 金●一般5,000円(全席指定)
会 場●エコー劇場(恵比寿)
前 売●10月8日開始
問合せ●テアトル・エコー
※割引料金、出演者情報などの詳細はエコーHPにてご確認ください。
※16日は終演後シアタートークあり。
プロフィール
HN:
唐沢伊万里
性別:
女性
職業:
劇作家
趣味:
ガーデニング
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